9月の下旬頃だったと思う。
おれの携帯に見慣れない固定電話番号から着信があった。
電話の相手は比較的若いであろう女性の声だった。

署員:「〇〇さんの携帯でよろしいですか? 〇〇税務署の△△と申します。今年確定申告をしていただきましたが、申告していただいた内容でいくつか確認したいことがございます。」

まったく予期せぬタイミングの連絡に、さすがのおれも一瞬心臓がバタめいた。
しかしここは冷静を装って

おれ:「どのようなことでしょうか」と、低めの声でなんとか応対する。

署員:「〇〇さんのされている事業はアフィリエイトですか。その事業について少し詳しくお聞きしたいことがあります。11月11日の午後にお伺いしますのでお時間をとってください。」

11月11日って、そんな先のはなし??
なんだかわからないけど、かなり先の話だったのでとりあえずホッとして少し冷静になれた。

おれ:「急に言われましても、自分は会社勤務がありますので、そんな先の日程は今の段階ではわかりません。」と少し抵抗してみる。

署員:「それはごもっともですよね。でもまだ時間がありますので何とかその日にお時間を作ってください。」

言葉はやさしい感じですが、これはゼッタイですよ!ってのが伝わってきます。

おれ:「仕事を休むことは出来ないので会社に来ていただいてもいいですか。」

署員:「〇〇さんがなさっている事業のことでパソコンなども見せていただきたいのですが、会社でも見ることができますか。」

おれ:「大丈夫です。」

署員:「それでは当日会社にお伺いします。確定申告書や帳簿類、事業にお使いの通帳などをご準備ください。また昨年度以前の状況もお聞きする場合もありますので宜しくお願いします。」

こんな一連のやりとりで、有無を言わせずという感じで税務調査の日が決まってしまった。
それにしても署員の最後の一言、
「昨年度以前の状況もお聞きする場合もありますので宜しくお願いします。」
すべてはこれを調べに来るってことでしょっ!

ついに来ちゃったんだな・・・というあきらめの感じでしたよ、この時はねっ・・・

ここで税務調査を受ける羽目に合ったおれの状況を少し説明しよう

おれのアフィリエイトで得た収入は以下の通りだ。
初めて報酬が発生したのは2011年10月までさかのぼることになる。

今年3月4日に確定申告をしてきた。
これは2014年度分の申告だ。しかし、それ以前は確定申告をしていなかった。

税金をゴマカシテやろうなんて気持ちはモウトウないんだけれど、
確定申告がすごく面倒な手続きのように思えていたし、そもそもこのアフィリエイトの収入が一時的なものですぐに無くなってしまうもののようにも思っていた。

2011年度は収入の合計が20万円に達していないので申告の必要は無い。

2012年度は保険関連のサイトがそこそこ成果がでてきて年間で170万円を少し超えた。確定申告が必要なことはわかっていた。しかし申告手続きの方法を調べなくてはと思っている間に申告期間の3月15日を過ぎてしまった。もちろん気持ちの中に「まあ、申告しなくても大丈夫だろう・・」という甘えがあったからなんだけど・・

2013年保険のサイトが前半は伸びるも後半に失速。それでも年間の収入は220万円を超えた。今年こそは申告をしようと思う気持ちと、昨年申告していないのに今年申告して大丈夫だろうか? だまってたほうがいいのだろうか・・? アフィリの報酬もしぼんできているし、もしかしたらこのまま報酬が無くなっていってしまうのかも・・・
そんな思いが行ったり来たりして、結果その年も確定申告の期限が過ぎてしまった。

2014年度、アフィリの報酬は鳴かず飛ばずの状態がダラリと続いた。それでも年間の収入は180万円。
しかし、この年おれは確定申告をしようと決心するある出来事に遭遇した。
ネット上で親しくしていた Cさんに税務調査が入ったのだ!

Cさんの税務調査

Cさんはアドセンスをメインにやっている主婦アフィリエーターだ。

一番稼いでいた時は年間500万くらい報酬を得ていた様だし、この3~4年は平均しても200~300万円の年間報酬があったようだ。
そんなCさんもご主人の扶養になっていることなども有り、扶養を外れてしまうことに躊躇していた。そんなことで申告せずにズルズルと時間だけが過ぎて行ってしまったようである。
そんなある日、税務署から電話が入り税務調査に来ることになったらしい。
Cさんの場合は電話があって告げられた調査日はなんと一週間後だった。

Cさんは一度も確定申告をしたことが無い状況での税務調査だったので相当あせった様だ。しかも期限は一週間しかない。
ご主人の協力も有り、無料の税務相談も受け、いろいろ検索で調べ、そして出来る対策として、過去5年分の確定申告を調査日前に自主申告することだった。

そんなCさんの体験を聞いてしまったおれは、過去分はともかく今年度分の確定申告は必ずしようと決心がついたのだった!

おれの税務調査対策!

来る税務調査に向けてのおれの対策は至ってシンプルだった。

昨年度分は今年確定申告をしている。
やるべきことは未申告になっている2012年度と2013年度の確定申告を調査日の前に自主申告をすることだ!

おれは副業アフィリエーターであるので、そもそも経費の対策なんてあまり考えていなかった。昨年まではそんなに稼いでいる訳でもないので、アリのままそのままを経費にしている。
・ネット通信費
・スマホ代
・ドメイン、サーバー、その他ツールや情報収集料など
合計で年間20万円程度の経費とし、事務所費按分などはしないで申告した。

そんな訳で、今年確定申告をした経験もあって、過去の2年分の確定申告書を作成することも難なく短時間で終えることが出来た。

10月中旬に2年分の確定申告書を持って税務署に向かい、窓口で期限後申告というのを済ませてきた。
この時申告と同時に窓口で所得税の支払いを求められる。所得税には5%くらいの延滞税が加算される。2年分の所得税と延滞税を合わせて窓口で20万円くらいを支払ってきた!

税務調査というイレギュラーな事態ではあったが、未申告で何となくモヤモヤとしていたものが解決し、おれは晴れて清々しい気分になった。

さて、税務調査当日はどうだったのか・・・

いよいよその日がやって来た!

Cさんが受けた税務調査当日の状況を聞いていたおれは、平常心でこの日をむかえていた。
昨年度の申告も今回遅れてした申告もどちらもそうおかしなことはしていない。指摘を受けて困る様なことは無いはずだ。

アチラさんの狙いは間違いなく申告していない過去の分を指摘することだろう。
しかしそれについては対応済みだ。

約束の時間、午後1時に彼らはやって来た。

最初に言っておくが、この先はあまりおもしろくない!

おれも選ばれて税務調査を受ける身。それなりの期待感をもってこの日をむかえた。
しかし、その期待は見事に裏切られた。

やって来たのは電話をくれた地元税務署の20代の女性と
情報技術専門官という肩書の50代の男性

しかし、二人ともとぼけているのか何なのか、アフィリエイトのことを全く知らないという感じで、終始話がかみ合わない。

世間話や本業のこと(会社に来てもらったので)を少し聞かれた後に、いよいよ今年の確定申告のことにふれてきた。
ちょっとした会話があったと思うが、たいした会話でも無く核心の過去の未申告の件にはまだふれてこない。
面倒なのでおれのほうから、未申告になっていた2年分を先月申告してきたと言った。

一瞬、場の時間が止まったかのような空気が漂い、先方は拍子抜けした感じでお互いの顔を見合わせていた。

税務署の窓口で申告してきた情報が調査担当者には伝わっていなかったようだ。
これは Cさんの時もそうだった。やっぱり伝わってないのか・・お役所ってそんなもんなのか?っておれは思った。

これより先は、突っ込まれることも無く、ASPからの入金と通帳の照合をするくらいだった。

アチラさんもひとつくらいは何か抵抗したかったのだろう、スマホ代を経費にしている件でこれは認められるかどうか持ち帰って検討すると言った。

一応ホームページを見せてくださいと言われたので、保険のサイトを見せたが、トップページをスクロールして下まで見て終わり。ほかのサイトを見せろということも無し。なんだか、お互いに生産性の無い時間を感じながら1時間半を過ごすことになった。

最後に通帳と帳簿を持ち帰って精査するということでこの日は終了。

翌日電話がなり、調査が終了したので預かった資料を返しに来ると連絡があった。
間もなく昨日の二人がやってきて、調査の結果問題は無かった旨の報告を受けて5分ほどで終了。

以上がおれに降りかかった税務調査のすべてである。

今後税務調査が来るかもしれないアフィリエーターのあなたへ

もし、あなたが確定申告をしていないアフィリエーターなら、
2015年度分を来年のその時期に確定申告をすることをおすすめする。

今年以前の分も未申告となっているのであれば合わせて申告したほうがいいだろう。その方が税務調査が来る確率は下がると思う。
おれの場合おそらく確定申告をしたことで、未申告になっている件を発見し調査に入ったのだと思う。最初の申告の時に未申告の分も申告していれば税務調査は無かったんだと思う。

しかし未申告になっている過去の分はあなたにも事情があるだろうから自分で考えて決めて欲しい。
仮に、おれと同じように今年から申告をしたことで税務調査が入ったとしても、おれの様に調査日前に自主申告すれば、それ程おおげさな結果にはならないだろう。

ずっと確定申告をしないでいて、モヤモヤしているのなら今年分からでも申告をしてスッキリしたほうがいいのではないだろうか。
確定申告は思っているほど面倒なものではないので、ちょこっと検索すれば自分でもできると思うよ。

おれは次の申告からは青色になる。多少収入も増えてきたので今度は少し税金対策を考えてみようと思っている。

税務調査のその後

12/19追記
過去2年分(約400万円)の確定申告をしたことで先日、住民税の納税通知書が届いた。

約40万円・・・  想定通りと言えばその通りなのですがかなりショックだ。 (T-T)

結局、所得税が約20万、住民税が約40万、合わせて約60万円の納税です。
400万円の収入があったとは言え、そんなもんとっくに使って無くなってしまった過去のお金です。ここにきて60万円の出費は痛い!

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